2011年6月19日日曜日

Party Stream for Japan 18 June 2011

Party Stream for Japan に参加してきました。
おもしろかったです!!!

NPO法人カタリバ 今村久美氏
・ハタチ基金の設立は、ナナメの関係で支える「学びと自立」を目指したもの。
・現地の自立を支援するモデルとして、女川で立ち上げる。
・支援には、支援にならない支援がある。
・他律、自立、支援をどう考えるか?ということを考えさせられる。


Tokyo Art BeatNPO) 田原新司郎氏 佐々木朋美氏
・東京近郊にアートスペースが800か所ある
・今震災に対して一生懸命活動しているアーティストとして以下の3名を紹介。
1.渋谷駅の岡本太郎の壁画に、原発の絵が追加⇒ChimPomというチームが行った
2.Share FUKUSHIMAというイベント
3.未来美術家・遠藤一郎(車で生活しているらしい)
・注目のトレンドとして、商取引の多様化(クラウドファンディング、電子ポイント)と個人活動の多様化があり、これは、個人とアートの関わりと、街とアートの関わりに変化をもたらす。
Artと人間の心の関係を再考する時期であると感じた。


日本科学未来館 池辺靖氏
SPEEDI:放射能の測定機能(原子力安全技術センター)の問題点は、情報を持っているヒトは使い方を知らないことで、情報を受け取る側は、その解釈の仕方をしらないことである。
・福島第1原発事故の時系列
3/15読売新聞が機能不全を指摘⇒センターはやっている⇒文科省に提出している
3/22USA空軍の測定結果が発表
3/23SPEEDIの結果が公開される=USA空軍と結果と一致
5/2細野さんがSPEEDIは欠陥ソフト
5/3SPEEDI結果が毎日発表される
・情報は誰のものか?という問いに対し、情報は市民のものであり、正しい情報を明らかにすべきである。
・情報源として、中央信頼モデルと市民信頼モデルがある。どちらを重視すべきであるのかという問題提起。
☆中央信頼モデルと市民信頼モデルのPros&Consを十分検討する必要がりそうと感じた。


慶應義塾大学 高橋俊介氏  緊急事態における組織の意思決定
・意思決定の大原則は、情報、判断基準、権限であり、これらを重なるようにしなければならない。
・福島第1原発での意思決定
東電吉田所長は情報と技術を持っていたが、権限はなかった
本店は、技術的判断基準は持っていなかったが、情報が限られていた
本店での意思決定システムが不明確であった
・大阪地検の村木元局長事件
立て序列主義の決済制度のなかで、高検検事長の「係長の単独犯のわけがない」の一言で、現場にプレッシャーがかかると、損害回避志向(現状維持)が生じる。これが、改竄の原因である。
Global石油メジャーは、石油プラントの廃棄判断は現場の主任技術師がもつ。
・意思決定プロセスの日本と欧米の違いを生む根本的な思想の違いは、欧米では事故発生が前提でリスクを思考するが、日本では、事故は起こることがないとうのが前提であることである。
☆意思決定に問題があることは、IMFも指摘した。日本企業の意思は、責任の所在を明らかにしないところが悪いところであり、これまでの企業を支えてきた良い仕組みでもあったよなと思うが、問題発生時には確かに弱い。
☆これからの企業の意思決定は、どうすべきかを再検討する時であるかも。


同志社女子大学 上田信行氏 可能性の教育学
・可能性を引き出すヒントは、身体にありそうだ。
ReflectionからPerceptionへの変換が必要になるぞ・・・。
・みんなで、身体を動かして、歌を歌って、・・・。
☆その神髄は、著書:プレイフル・シンキングを読むとわかると思います。
 

MOTIVATION  経団連ホール 2011年6月18日 東京未来大学主催

MOTIVATIONをテーマにした公開セミナーが経団連ホールで、618日に、東京未来大学主催で開催された。

prof.市川伸一 東京大学 
内的動機づけと外的動機づけの研究の歴史を振り返りながら、両者を比較検討。モチベーションが高まるというのは、なりたい自己(Goal)となれる自己(自己効力)の拡大である。
Key Word:
・学習動機の2要因性モデル 
・デシのソマパズル:ロチェスター大学大学院のエドワード・デシ教授たちが、2000年に「自己決定理論」を発表し、意欲と自律性の関係を明確にした。

Prof.金井壽宏 神戸大学
モチベーションは、不安と展望を持つとき、緊張と希望を持つときに高まるということを、キャリア論になぞらえて指摘。Self-regulated            motivation
Key Word
・サイガニック効果 
Daniel Gilbert  Stumbling on Happiness is a non-fiction book

Prof.大坊郁夫 大阪大学
Well beingには個人のWellbeing 社会のWellbeingが存在し、これをCommunicationがつなぐことになる。Communicationが社会と個人を幸福にする鍵である。

Key Word
Well beingを磨くには、自己把握、基礎力、対処力、調整力が必用で、これらがCommunicationを向上する
Well beingの概念には、HEDONIC(快)アプローチ EUDAIMONIC(善・福)アプローチがある。
Seligman 2002 幸福の3タイプ;幸福感を「H=S+C+V」の公式で説明する。Hは持続する幸福のレベル(enduring level of happiness)、Sは設定範囲(set range)、Cは生活環境(circumstances of your life)、Vは自発的にコントロールできる要因(factors under your voluntary control)を表している。


小笹芳央 株式会社リンクアンドモチベーション
退席したため、レポートなし。
別の方から情報が入れば、再掲載。

2011年6月4日土曜日

企業研修 研修(教育)効果測定の概観と疑問?

 企業の教育担当者の悩みの一つに、教育研修の効果を測定することがある。これは、経営層からの強い要望による。これまで、企業内人材育成は、企業内の活動において、一つの聖域としての取り扱いをされて来た。聖域の意味にも種々あろうが、人材育成には、あまり期待されてこなかったというのが本当のところかもしれない。しかし、この環境は一変した。

企業経営では、様々なCSFCritical Success Factor)が設定され、それを測定する指標としてKPIKey performance Indicator)を決定し、経営状況のモニタリングが行われ、企業経営の診断と、経営の妥当性の検討、経営の変革が行われる。これらは、企業の様々な部門で設定され、経営改革が行われてきた。企業の人材育成は、これまで、この範疇に属していなかった、あるいは、見逃されてきたというのが本当のところであろう。しかし、企業経営における人材育成活動が、経費としての捉え方から、投資としての捉え方への変化に伴い、あるいは、企業の人材育成が経営の主要な課題として捉えられ、企業活動の重要なファクターと捉えられるようになったことにより、投資した人材育成が、経営にどのように影響を与えているのかという、経営層の素朴な疑問の的となった。人材育成担当者は、この経営者の素朴な疑問である、「人材育成による効果は何なのか?」という質問への回答に苦慮することになる。

 企業内研修効果測定をどうするのかという疑問に回答する、一つの指標として、カークパトリックが示した、研修効果測定の4つのLevelがある。Webで「研修効果測定」で検索すれば、大抵の場合、この言葉に行きつく。企業の人材育成担当者は、カークパトリックのLevel4の研修効果に行きつくことになる。すると、次の思考として、Levelをどのように測定すれば良いのだろうかという次の疑問に到達する。4つのLevelの中で、Level1と2は、何とか測定できそう。でも、Level3と4は厄介だなというのが正直な感想になる。

 そこで、Level1、2を測定することにし、Level1のために研修後アンケートを準備し、Level2のために研修前のテストと研修後のテストを準備し、これらを新たにプログラムの中に組み込み実施する。結果を集計し、研修に対するアンケート結果から研修が、良かったところはどこで、修正すべき点はどこかを明らかにし研修に修正を加えていく。ここで行われる、プロセスは、教育の評価測定のプロセスに則っているので問題はないし、提供した研修の修正を行っていくという、教育効果測定の一つの目的である、形成的評価という視点からも問題はない。

 でも何かおかしくないであろうか?これだけで良いのかという疑問が湧く。企業内の教育において最も重要な、ゴールの設定はどこに行ってしまったのであろうか。企業内教育では、教育目標を定め、そこに到達するために教育を行う。それを実現するための手法としてインストラクショナル・デザインが示す最初の重要なポイントは、ゴール設定(出口を決める)と、入口を調べる・入口をそろえる(入口を決める)、その間をデザインすることである。出口を決めるということは、最初に出口が明確に示されているということである。最初に出口が示されているのであれば、そこに至ったか、至らなかったかを測定すれば良いことになる。例えば、教育の出口であるゴールが、何かの行動を変えることであれば、それを確認する(評価する)方法が先に作成されているということを意味している。この事例では、教育のゴールがカークパトリックのLevel3であるから、これを測定すれば良いことになる。これは、総括的評価と言われるものに近い。

 教育の評価測定というと、測定手法やLevel測定にのみ焦点化されることがある。教育効果の測定の本質をもう少し検討していく必要があるのではなかろうか。この疑問への解として、形成的評価、総括的評価、インストラクショナル・デザイン、教育評価研究というキーワードで次回に検討したい。